2000シリーズ:X-DAY2000(楽曲編)

2009.01.22[木] 11:00

 

第11回 金髪オタ野郎 vs X-DAY発明者!
       音源蘇生プロジェクト『X-DAY2000』(注1) 2008.06







唐突ですが、『Galaga Legions』にも恒例の?モールス信号ネタが入ってます。
お暇な方はチェックしてみてください。
そんなわけで旧正月的にあけおめのLindaAI-CUEです。
ついに自力でのシリーズ継続が困難と判断したのかなんなのか
今回は相方にすげー人を久しぶりに呼んでみました…実際、スゴかったです。
というわけでその顛末、はりきってどーぞ。








【過去の資産でお茶を濁せ!】
「おお、こんなネタ作ってたっけ?」
「なんかすぐにもで使えそうじゃん」
動機が浅はかでした。


2007年05月に行われた会社引越しに際して過去データの大掃除が大々的に行われたのですが
このとき1本のDAT…10年前に作った「ライブ用パンクスver.」(注2)のデータが発掘されたのです。
さっそくマスブチさんにこれを聴かせてみたところ好意的な反応があり
「本当にネタに詰まったとき」用ストック音源として保存されることになりました。
その後、『I Want』『EkiBEN2000』『Galaga Legions』等々(注3)と
作を重ねる中で再度放置されちゃったのですが
2008年に憂慮すべき事態が到来、ついに封印がとかれることになったのです。
…いやまあ、このとき新製品の仕事が動き出してて
新曲をイチから起こす余力が無かったというだけなんですが。




【発明者をリングに引きずり出せ!】
「コラボっていいですか」
「OK。試作したのでwave送ります」
「??????????」


『われら無敵のドコン団』で加来くんをリングに上げたことに気をよくしたLindaAI-CUE、
またぞろ社内に隠れてるツワモノ登板を画策しました。
せっかく『X-DAY2』をネタにするんだから「発明者」を!と思い立ち、
藤原さん(注4)に連絡をとったのです。
藤原さんといえば、第7回でご紹介した『エレメカ大百科』中『ワギャン』の発見者にしてリミキサー担当、
ただでさえ壮絶なあのCDの中で一層際立った音源を投げ込んだ氏のパワーを借りて
10年前の音源を蘇生できないものか?と考えたのです。(注5)




【徹底エディットで塗炭の苦しみを味わえ!】
「ミックスの方向性が違います」
「またリテイク‥‥‥‥‥‥‥」


ステレオ2chの元トラックに、まず自分がギター、ベースなど
後づけで入れるつもりだった要素を追加、それを藤原さんに聴いてもらい、
効果音等を追加した「藤原ver.(仮)」なトラックを起こしてもらい
その追加分のデータを自分が貼り込んでいく…というキャチボールでトラックメイク。
最初は「使えそうな効果音とかください」程度の軽い気持ちだったのですが
「藤原ver.(仮)」の第1回を聴いて愕然。…徹底的にリメイクされてる!
元の2chデータを切り刻み音源を差し替え上モノを大々的に追加(注6)し、ぶっちゃけ新曲?
というくらいに変わっていたのです。
しかも「後でTDで調整入るからいいや」と大ラフに作ってた自分の音づくりに対し
「31秒からの日本語Voiceが英語Voiceのディレイと被っているので、
音像として分離させ、可聴性を上げる」等々、長文の要求。
マジでヘコみました。
そういやこの人、こういう制作では徹底的に妥協しない人だった…。
そんなスパルタなやりとりを積み重ね、ようやく「OK」と言ってもらったときには
いつもの2000シリーズを制作するのと同じくらいの時間がかかってました。
ちゅーか、新曲まるまる1曲分以上のパワーかかってます。




そしてオチ。
制作途中のモノを聴いてもらったタカハシさんに
「これ久々に『狙った』最難曲にプッシュできそうかもね」と言ってもらったのも束の間、
ある日、
「細江さん(注7)の方がスゲーですよ!あんたダメじゃん」
という断罪の一報が。
『Rotter Tarmination』を引っさげて、元祖が戦場に武力介入してきたのです!
次回『太鼓の達人』は「元祖vs本家!BPMより血圧の方が高いデスマッチ!」
…と、これで次回、細江さんからナイスなコメントをいただけるとボクが楽しいです。
それでは。











(注1)『X-DAY2』のご紹介。
   1994年稼動開始。開発元は3993年のナムコ超未来研究所。
   「今のままの成り行きで起こる未来にアクセスし、お客様の予定命日をお知らせします」
   という余命検索サービス『X-DAY』の第2弾として1995年に発表。
   「お客様の恋愛賞味期限(カップルの破局日)をお知らせします」という『恋愛寿命コース』を増設。
   当初仕様ではカップリング組み合わせによってBGM編曲を変える予定でしたが
   LindaAI-CUEの曲があまりにアレだったため取り止めになったという思い出話もあったり。
   その「あまりにアレ」は当時発売されたサントラ盤(VICL-15051)に余すところ無く収録されてます。
(注2)元データはギターとベースを入れた3ピースバンド形態を想定したマイナスワン仕様。
   LindaAI-CUE担当はノイズ+メタルパーカション(笑)。どこが3ピースなんだか。
(注3)どれもマスブチさんと「そのうち『太鼓の達人』に入れちゃおうぜ」と画策してるのでお楽しみに。
   『I Want』はドM向け鬼譜面にしてもらいたいなぁ…とタカハシさんを牽制。
(注4)「自然音を収録に行き、山で滑落後、ドクターとナースの学会で、癒し音の研究発表」など
   パワフルな逸話には事欠かない藤原さんです。
   http://www.bandainamcogames.co.jp/gallery/namcoden/pdf/namcoden03.pdf
   現在はP-7カンパニーで、VFXやプロモビデオ制作をやってるのですが、
   ここでも「無いなら自分で作っちゃう」と映像から音からどんどん作っちゃう日々。
(注5)さらには、
   こういう積み重ねでバンナムにいる「すげー人材」をどんどん表舞台に引っ張り出しちゃおう!
   という、お見合い大好きなオバちゃんの如き野心もあったりです。
(注6)ボイス(作詞も)、中盤以降のリズム音源全般、効果音のほとんどが藤原さん製作。
   そこから更にLindaAI-CUEが個々の発音タイミング調整や音の抜き差しを行いました。
(注7)言うまでもなく細江慎治さん。
   ナムコのみならず、日本のガバ系元祖のひとりと言っちゃっていいんじゃないかと思います。































(注108)
<X-DAY2000制作に関する藤原メモ(音声レコーダーより抜粋)>


●2008年5月2日 11:44.40
「LindaAI-CUEよりmp3データ受信。X-DAY2のリメイクとある。
気をつけねば‥」


●2008年5月2日 13:00.31
「mp3を試聴。‥熱過ぎる‥X-DAYの無機質な冷たさが必要だ‥」


●2008年5月7日 11:01.29
「封印していた14年前のX-DAYファイルを解凍する。余命検索アルゴリズムと
テキストデータを抽出、LindaAI-CUEの楽曲サンプルにインストール。
無表情のマシンボイスが喋り始めた。BODY HEART MONEY SURVIVALVALVALVAL‥」


●2008年5月12日 13:59.59
「運命は確定していない。未来は、今のあなたの行動によって分岐し、大きく変化していく。
あなたの些細な言動や選択が連鎖反応を起こし、いくつもの結末が発生と消滅を繰り返す。
そのどれかへ、あなたは確実に‥おっと会議の時間だ。今行きま」


●2008年5月29日 16:06.06
「‥そのどれかへ、あなたは確実に進んでいく。戻る事は出来ないが、今から先の進路を
変える事はできる。未来を左右する質問に回答するたび、あなたの進路が切り替わる
分岐エフェクト音が炸裂する。ズバン!ギュルルル!ガシャン!!‥あの、藤原さん質問が」


●2008年5月30日 12:16.14
「‥加速する時間流、次々と書き換えられる未来の記憶‥変則的に生成された
リズムパターンを楽曲中盤にミックス。見えてきた‥X-DAYシリーズのDNAが‥
否、まだ足りない‥何かが‥あ。昼の時間、過ぎ」


●2008年6月2日 13:06.38
「X-DAY2の仕様書を読み返す。男性、女性、元男性、元女性。これらの自由な組合せパターンから
恋愛寿命を検索可能‥例えば、実在しない仮想カップルの破局日を調べる事もできる。それだ。
試しに、私とLindaAI-CUEのデータを入れて‥ゲームスタート‥ふむふむ‥ああっスゲー短い!」


●2008年6月9日 15:14.05
「マシンボイスが読み上げる破局のカウントダウン。
The time limit of your love is the 7 days‥3 hours‥1 minute‥ZERO‥
the end of your love‥終了。楽曲最終パートに時限サウンドをミックスし、送信」


●2008年6月13日 11:04.24
「お疲れ様です。P-7藤原です。
曲名は、X-DAY2 000<エックスデイ・ツー トリプル・ゼロ>でお願いできますか? 
以上です。送信」


●2008年9月4日 18:09.19
「お疲れ様です。LindaAI-CUEです。曲名の件(X-DAY2000)了解です。
本日、終ROM納品しました。2000シリーズの新作ということで、注目度も高いと思います」
「あれ、エックスデイ・ニセン? X-DAYの初代を収録するとき、曲名どうするんだろ‥」






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