2000シリーズ:てんぢく2000(楽曲編)

2008.01.10[木] 12:00

 

第8回 踊る?『てんぢく2000』に立ちはだかる大問題 2007.03




もう1月も10日ですが、あけおめです。
前回の記事の後
「ボクの考える『十露盤2000』は、きっとこんな製品」についていろんな意見を伺うことができて、
ちょっと嬉しかったLindaAI-CUEです。
バンナムのエレメカには、これからもいろんな意味でもっとガンガってほしいものです。


閑話休題。
ゲーム性とスピード強化を大義名分に音楽を解体し続ける?
戦いは前回でイくところまでイったかと思ったのですが
『太鼓の達人』があるかぎり新曲の需要なり発注なりはあるわけで…
いつもなら打ち合わせ(バカ話)ではネタ切れの恐怖と戦う当シリーズですが
今回はちょっとだけ様相が違ってたのでした。







【初の前後篇?】
「『行き』『帰り』の2作で、どう?」
「ふたつまとめて作るならいいよ」
これで半分ボツになりました。


なんと今回はネタ(曲名)のストックがちゃんと存在しました。
「ひとつはインドっぽい曲、ひとつは中国っぽい曲で組曲ふうに…ではどうかな?」ってことで
『てんぢく2000(熱風篇)』『てんぢく2000(望郷篇)』というのはどうか?と。
片方は以前からやってみようと思ってたインド系のネタ、
もう片方は『New Space Order』(注1)でも部分的に取り入れた京劇のリズムならできないことはないかな?
との皮算用もありました。
が、結局は上記のような次第。
後から考えるとできなくもなかったかもしれませんが、
打ち合わせ(バカ話)時点ではスケジュールがちゃんと読めてなかったのです。(注2)
余裕が無いと考えた結果インド系のみの製作となったわけですが、
京劇系のネタも、どこかで作ってみたいものですね
…ニンニキ2000?




【記録に残る長距離移動?】
「本場の曲って意外と普通のヒップポップですよね」
「そうですね」
とはいえ、後の祭りです。


めずらしくちゃんと歌モノっぽいメロディーかと思えば「ご存知」金属サウンドもあり、
さらには圧巻の高田さん(注3)による強烈なバイオリン・ソロ!
出来上がった曲はRavi Shankar(注4)ふうでも現代インド映画(注5)ふうでもない内容に。
まあ、毎度の如く
「できるだけ変拍子をいっぱい使ってリズム感を狂わせて」
「いろんな音をちりばめてどこにでも『ドン』『カツ』が入れられるように」
とか考えてるうち、自然とそうなっちゃったのですが
…おかしいなぁ。


一方、歌詞は迷わず当初から「労働ソング第2弾」として製作。
『よくでる2000』より不幸かつ病んでるシチュエーションを模索した結果
たったワンフレーズでインド洋を遥かに越えちゃったりボスに連れ戻されちゃったりしちゃうわけですが
…いったいこの歌の主人公、どこまで行っちゃったんでしょうかね?


そういや、
ボーカルと同じフレーズで演奏してる音は当初仮メロ(注6)として入れてたものですが
そのあまりのヘロヘロっぷりがマスブチさんのツボに入ってしまったらしく
「『せっかくだから』最後まで残しちゃいましょう」と完成品に組み込まれることに。
時々のイキオイであらぬ方向に進む当シリーズならではの現象です。
…せっかくですから。




【魔法をかけて?(苦笑)】
「ヘタですね」
「やっぱり?」
今回のボーカル(♂)をマスブチさんに聞かせてみたところ、胃に悪い反応が。


そう、インド映画の歌手ってめちゃめちゃ歌が上手いんですよね。
そのへんを失念してた挙句見事に問題を指摘されたとあっては、クオリティ管理的に問題。
ダメなボーカリスト・LindaAI-CUEを責める暇も無く、
慌ててスタジオに戻って歌唱ピッチ直し。
1音符ごとに高すぎる音程を下げ低すぎる音程を上げ…
必死のAuto-Tune(注7)操作で「魔法をかけて」みたのですが…まあ、元が元なだけにこんなもんかと。
ちなみに今回のボーカル相方・ぎんぎつねさん(注8)の歌唱の方は問題ナシ。
ふうっ。




そして神奈川新町から青物横丁へ仕事場の大移動が行われ、現在に至る
…と、けっこう長く続いたこのシリーズを締めたいところですが
その前にちょっとだけ、『太鼓の達人』用に一風変わった仕事することになったのです。
次回はそのネタをご紹介します。


いやそんなことより、
また新曲仕込みましたからってことで今年も世露死苦!




(注1)2005~2007年に『知・好・楽』一部店舗に設置されてたPCむけ戦略級シミュレーションゲーム。
  http://www.newspaceorder.com/
  「京劇のリズム」は、このうち『封建王朝国』のテーマに取り入れたもの。
(注2)結果的にこの後『アイドルマスター Master Artist』シリーズの製作に取り掛かったため
  やっぱりスケジュール的には2曲手がける余裕はありませんでした。
(注3)『トリオンキューブ』『Ace Combat 6』などに携わった
  若手作曲家かつ気鋭のバイオリン奏者で萌え系への参入を企む野望の人。
  今回は新必殺武器・エレキバイオリンによる熱演。
(注4)インド楽器・シタールの偉い人。
  『バングラデシュ・コンサート』(1971年)では当時のロック・スター達と競演してたり。
(注5)日本では『ムトゥ・踊るマハラジャ』(1995年、日本公開は1998年)などで知られるインドの娯楽映画は
  劇中に挿入されるヤケにキャッチーな歌とそれを彩る映像が魅力的です。
(注6)最終的には消される音なせいか、仮メロは存外テキトーな音色で作られることが多いです。
(注7)ProTools用プラグインでは、まあいろんな意味で有名な一品。
  あんまり使いすぎるとオモシロい音になっちゃうのですが、
  敢えてその「オモシロさ」をウリにした楽曲も世の中にはあるので、
  音楽というのは奥が深いです。
(注8)当社の若手ディレクター。
  学生時代にナレーションの修行をしてた美声のツワモノに「オモシロイ声で歌ってください」とお願いしました。
  いやぁ、今回は若いチカラに頼りまくりです。



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