2000シリーズ:十露盤2000(楽曲編)

2007.12.20[木] 12:00

 

第7回 幻のロケテスト?『十露盤2000』実録レポート 2006.10






ボタン早押し!それは至高の(以下略)
…LindaAI-CUEです。
ナムコといえばエレメカ!というわけで、今回はエレメカについて書きたいと思います。
しかも公式には資料の残されていない、幻の製品
…嘘です。
まあ、心意気だけはそのエレメカスピリットな?アレの一部始終。
それでは、どうぞ。





【野望の企画】


「今度はエレメカ(注0)です」
「いいですね」
今回もスルーされてます。
止めてくれないとグレちゃうぞ。


純粋なスピード勝負については前作である程度区切りがついたと思ったので、
今回は「はじめて聴いたときにビックリしてもらう」「緩急のついたツクリ」を
実現するためにあれこれ試行錯誤を…嘘です。ゴメンなさい。
実はだいぶ以前、それこそ『よくでる2000』制作直後くらいから
「そろばん2000」という題名で曲を作ろうと目論んでいたのですが、
じゃあ具体的にはどんな曲にするつもりなの?というところで長らく足踏みしていたのでした。
そんな折、仕事場の資料整理をしてる中で見つけた1枚のCD


 『エレメカ大百科』(注1)


の存在が、製作を決断するきっかけとなったのです。
そろばんでエレメカでリプレイでブラックジョークなら、それで「そろばん2000」が作れるじゃないか
…言葉で書くと、我ながら「気が触れてるのでは?」と心配になってきますが、
まさにそういう直感があったのです。
正直、このCD中の『ボタン早押し選手権』(注2)が大好きで、
いつか自分もこの方向性でなんか作ってやろうと思ってたというのもあります。


あ、表記の「十露盤」については、
PCの変換候補に偶然あったものをテキトーに採用しました。
できれば一発では読めそうにない小難しい表記にしたかったので、渡りに船という按配です。




【野望の劇団】


「全部Lindaくんの声だね」
「おっしゃるとおりです」
正直、声色に幅がありません。


これまで歌声の音程そのものをイジることは無かったのですが、今回はさすがに音程にメスを入れました。
「美少女14歳(♂)」の喋りについて
収録後、さすがにこれじゃダメだと全体的に音程を上げる後処理を入れたのです。
LindaAI-CUEも男の子、電話口では騙せてもココでは無理でした。
そんな挿話もあったりで、これまで以上に密室性の高いひとり録音。
作曲と収録というよりドラマCDの製作とでもいうようなノリだったのですが
その実、台本を用意しておきながら本番でそれをほとんど無視するという体たらく。
台本どおりにやったのは「青物横丁(注3)で話題沸騰~」のくだりくらいか?


まあ改めて言うようなことではないですが、
そろばんの音もひとり録音でした。
このために通勤途中にある文房具店でそろばんを新調しましたよ。
そのうちトニー谷(注4)の物真似とか練習しようかな?


並行して曲の「本体」となる部分も制作。
エレメカらしく音源がちょっとショボい感じを出すために「同時発音はPSG3音+ノイズ1音」と
あらかじめ縛りをかけての
…って、それは昔の家庭用ゲーム機ですよ(注5)。




【野望の忘年会】


「マジすごいです」
「…そ、そうですか?!<かなり照れてる」
褒められ慣れてません。


TD完了後ほどなく、サウンド製作者たちの忘年会が行われたわけですが
なぜかこの曲がウケたらしく、他のサウンド制作者にいろいろ褒めていただきました。
要は「曲」という概念そのものから自由になっちゃてる(そのわりにギリギリ曲の体裁があるように思える?)
ところがスゴいということだったようです。
自分では「前に『タベルナ2000』をやっちゃってるわけだしこのくらい自然」と思ってたのですが
これ単体で聴くと相当インパクトがあるみたいです。




どんどんハードルが上がっていく2000シリーズ制作ですが、
次回はさらなるハードルを自らに課して泥沼へと突っ込んでいくことに。
それはさておき、
プレイするだけで命が削られそうな『十露盤2000』って、いったいどんなエレメカなんでしょうか?
「ボクの考える『十露盤2000』は、きっとこんな製品」とか
そういう声を、ちょっと訊いてみたいです。








(注0)モグラたたきとか、エアホッケーとか、そういうの。
   モニターがあるゲームは「ビデオゲーム」といわれますが、こちらはモニター無いものがほとんど。


(注1)1996年発売。
  その時点までの主だったエレメカ製品の「音」をひとまとめに収録した企画CD。
  『シュータウェイ』『サブマリン』など、遊戯機器の歴史を語る奇跡のトラックと
  『ボタン早押し選手権』『ワギャン』など、あさっての方向に全力疾走のトラックとが同居する、
  なんともスゴいコンピレーション盤です。
  付属の(というよりコッチが本体のような?)ブックレットの資料性が素晴らしいです。
  残念ながら現在は絶版。


(注2)1992年発売。
  ひたすらボタンを連打するだけというシンプルさがいっそ清々しい製品。
  『エレメカ大百科』収録のトラック(リプレイ兼ミニドラマ)は伝説といっていい内容です。
  ここだけでも再発してほしいなぁ。


(注3)現在のバンナム未来研がある街の名前。
  まさにこの製作時期、2006年10月11日に「バンナム社屋移転」のプレスリリースがありました。
  歌詞の全貌については
  http://taikoblog.namco-ch.net/lyrics/2007/09/2000_2.html
  をご覧ください。
  この歌詞、実際に出来上がった曲からの聞き書きなのです。


(注4)そろばんを使った芸人といえばこの人。
  『さいざんす・マンボ』は名曲ですよね…と言いたいところですが
  ちゃんと聴いたことあるのは巻上公一によるカヴァー版だけなんだよなぁ。


(注5)実際のエレメカでは「ADPCM1声(モノラル)をベタ再生」がBGMの基本となることが多かったのですが、
  主にメモリ容量の都合からサンプルレートやBGMの長さを極限まで切り詰めねばならず
  そうそう高音質でとはいかないのでした。


[カテゴリ:2000シリーズ]